「真夜中のデッド・リミット」読んだから感想書く

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「真夜中のデッド・リミット」(著:スティーヴン・ハンター)を読んだから感想を書く。

この半年、「極大射程」から始まりその後延々とスティーヴン・ハンターの小説ばかり読んでいる。

直前に読んだのは「マスター・スナイパー」だけど、本当はこれでスティーヴン・ハンターは一旦終わろうかと思っていた。

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だけど、かねてより読んでみたいと思っていたけどなかなか手に入らなかった本書が復刊したという報を受けて居ても立っても居られず、ついついまた買ってしまった。

www.fusosha.co.jp

なんというタイミング。

まさに図ったかのような巡り合わせだ。

さて、前置きはもう充分だし、そろそろ本の内容に触れていこう。

 

本書の内容は「冷戦末期、アメリカのミサイルサイロが正体不明のテロリストに占拠されミサイルが発射されようとする中、デルタ・フォースを筆頭に米軍その他関係者一同がそれを阻止しようと奮闘する」というような話。

あらすじだけ見て最初はアクション一筋のハリウッド映画みたいな内容かと思っていたけど、意外とそうでもなかった。

思った以上に頭脳戦。

前半から後半まで、ひたすらに作戦を立てては実行し、作戦を立てては実行し、といった感じで内容の緩急があってなかなかスリリングな感じ。

特に前半は敵の正体を探ったり、ミサイルサイロの構造を調べたり、どうやって部隊を編成してどこから襲撃するかといったことを延々と考えてて、割とスパイ小説寄りの内容だった。

前半にひたすら緊張感が高まっていき、後半でそれが解き放たれる感じ。

言い換えるなら、前半で撒いた伏線や謎といった仕掛けを後半で一気に解き明かしていく感じ。

こういった感じが過去に読んだスワガー・サーガの一連と作品と共通していると思って、どこか懐かしく感じた。

ハンターの小説はどれを読んでも、前半のあのシーンが後半のここにつながってくるのか、みたいな驚きがある。

ハンターはこういうのが得意な作家なんだな、多分。

 

あとは、作中ではわずか1日の内容が上下巻2冊合計約800ページに渡って展開されるというのもその特徴のひとつ。

でも、その1日の中で多くの人物の過去の記憶が語られる。

主要な登場人物が結構たくさん出てくるんだけど、そのひとりひとりが丁寧に描かれていると思った。

逆に、だからこそ特定の主人公がいないように思える。

と、そこで気づいたのだけど、この小説が描いているのはただアメリカ対テロリストの戦いではなく、それぞれの人物の過去との戦いでもあるんだと思った。

言い換えるなら現在の戦いと過去の戦い、この2つの戦いが本書の軸になっている。

デルタ・フォースの指揮官とその副官、そしてミサイルサイロ設計者を始めとする多くの人々の中で2つの戦いが展開される。

そんなこんなで展開される2つの戦いがどのような結果を迎えるのか気にしながら最後まで読んだ。

 

そして最後はテロリストと米軍の全面対決が始まるんだけど、そこはもう圧巻だった。

今まで読んだハンター作品の中でも一番の迫力と衝撃。

最後の最後まで油断できない展開が繰り広げられる。

果たしてミサイル発射を阻止できるのか?

その結末に刮目せよ、って感じ。

 

まあこんな感じで最後まで張り詰めた雰囲気で物語は進む。

読む方も登場人物たちと同じで、最後の最後まで休む暇もない。

読み応えたっぷりの骨太な作品だった。